改葬~お墓の引越しについて~
ライター |
C子
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カテゴリ |
引越しコラム
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掲載日 |
2016/03/20 00:00
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こんにちは、ライターのC子です。
数々の引越し経験を持つ私ではありますが、そういえば数年前に実家のお墓を移設したことがあったな・・・とふと思い出しました。
そう、つまり“お墓の引越し”です。
春のお彼岸真っ最中(3/17~3/23)でもありますので、今回は番外編。
経験談を交えながら「お墓の引越し」についてご紹介してみたいと思います。
両親がすべての段取りを行ったので、ほぼ両親の経験談になります。
また、宗派や地域等によって手続き方法や注意点に違いがあると思いますのでご了承ください。
※掲載の写真は全てイメージです。
お墓の引越しを決意した理由
私の実家は、周りに山と川と田んぼしかないというかなりの田舎にあります。
街中にお住まいの方は、家から離れた場所(例えば公営・民営の墓地や寺院の境内にある墓地など)にお墓を構えていらっしゃるケースが多いと思いますが、我が家の墓地は家の裏山にありました。
古くから市内に住まう家のほとんどがそうだったので、特に珍しいわけではありません。
しかしながら、全く人気のない寂しい場所にあること、枯れ葉や草取りなど手入れが大変であること、
足元の悪い山道を徒歩で登らなければならないこと、そして何より子孫の墓守りの負担を軽くしておきたいと以前から考えていた両親が、祖父の死をきっかけに便利な場所への移設を決心したという訳です。
ここで、お墓の移設理由をいくつか挙げてみます。
・お墓の場所が不便だから
・郷里を離れ、遠方に引っ越すから
・お寺との付き合いがうまく行っていないから
・承継者がおらず永代供養にするから
・改宗するから ・・・など。
人生、色々あります。
移設先の墓地選び
実家は市内でもかなりはずれにあるので候補地は限られましたが、両親がこだわった条件は以下の3つ。
・車で行きやすい場所にあること
・管理がしっかりされていること
・将来的に永代供養墓への移設も可能であること
市内の寺院と石材店とが共同運営する新設の霊園が条件を満たしたので、今の場所に決めました。
帰省した際、両親に連れられて高台にあるその霊園を見学に行きました。
実家から車で15分程かかりますが、途中の道も整備されていて行きやすい場所です。
大小合わせて約100区画あるスペースはまだ2割ほどしか埋まっていませんでしたが、新設された霊園なので清々しくとてもきれいな印象です。
日当たりもいいし、ここならきっとご先祖様もお気に召すことでしょう。
墓所使用承諾証の発行を受ける
移設先が正式に決まったら、霊園の管理者に「墓所使用承諾証」を発行してもらいます。
改葬許可申請書を用意する
改葬するには、市区町村の許可を受けるよう法律に定められています。墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)。
通常の手続きは、下記の通り。
1.既存のお墓のある市区町村で「改葬許可申請書」を入手し、必要
事項を記入する。
2.「改葬許可申請書」の署名欄に、既存の墓地や納骨堂の管理者か
ら署名と捺印をいただく。
3.前述の「墓所使用承諾証」と2の「改葬許可申請書」を既存のお
墓のある市区町村に提出し、「改葬許可証」の交付を受ける。
実家の場合、お墓を購入した石材店にて手続きを代行してくれたようです。
新しいお墓を建立する
既存のお墓をそのまま移設することもできましたが、亡くなった祖父のお墓が必要だったので、この際ということで新しいお墓を建立しました。
完成後、帰省した際に再度見学に。
新しいお墓の隣には先祖の名前と没年月日を掘った石碑があり、故人の名前やエピソードでしばし盛り上がります。
お墓参りは自分のルーツを知る良い機会ですね。
周辺を見回すと、しばらく来ないうちに少しお墓が増えていました。
宗派がバラバラなので、お墓の造りや装飾などが少しずつ違っているのがなんだか新鮮です。
ちなみに、実家の場合は埋葬利用期間終了後には墓地を返還し、同じ敷地内にある永代供養墓へ移設することになっています。
既存のお墓にて魂抜きの法要を行う
改葬を行う前に、お寺のご住職様にて魂抜きの法要を行っていただきました。
ご先祖様、お引越しですよ。
既存のお墓から遺骨を出す
お墓から遺骨を取り出す作業は、石材店の方が行ってくださいます。
50年以上前に亡くなった方の遺骨には土に還ったものもありましたので、その場合は土をいくらかすくい取って骨壺の替わりとなる白い袋に納めていただきました。
そして石材店の方の手により、全ての遺骨が新しいお墓まで大切に運ばれました。
古いお墓の処分もお墓の跡を更地に戻すのも、すべて石材店がやってくれます。いたれりつくせりです。
新しいお墓へ改葬する
「改葬許可証」と「墓地使用承諾書」を持参し、霊園の管理者に提出します。
そして再びお寺のご住職様に墓前で魂入れの法要を行っていただき、納骨を無事終えることができました。
ご先祖様、どうぞ安らかに。そして、これからも見守ってくださいね(合掌)。
後記
お墓の引越しは、今生きている自分達のことだけでなく、先祖や子孫全てに関係することなので、両親も決断に至るまでにはきっと色々と思い悩んだことと思います(結構費用もかかりますし)。
両親に感謝しつつ、せめて自分の目が届くうちは大切にお墓を守らなければ・・・と改めて心に誓う今日この頃でした。
人生の中で何度も経験することではありませんが、もしそういった状況になった時にふとこのコラムを思い出していただければ幸いです。
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この記事のライターをご紹介
- C子 ( シーコ )
- 生粋のカープ女子、ライターのC子です。
引越しだけでなく日常生活での失敗を糧にしたコラムを多く書いています。
人生何事も経験なり・・・。