調査団プラス

掲載日 :
2015年10月8日
/ ライター :
中野 浩明
/ カテゴリ :
調査団プラス

関連タグ : 荷造り、コツ、引越し前、引っ越し、引越し、絵

水彩と油絵のお話&引越し時の絵の取り扱いについて

こんにちは。
堺行政書士事務所の中野です。

いつもは行政書士という仕事柄、手続きに関するお話をしておりますが、今回はそれとは全く離れて、絵のお話をしようと思います。

実用的なお話を期待される方にとってはあまり身の無い話かもしれませんが、一応何を書いてもいいと伺ってますので、そのあたりはご容赦ください。

私は行政書士という職業に就く一方で、肖像画などを依頼されて描いていおります。

また、とある大手の画廊に勤めていたということもあり、最近は業務多忙でなかなか絵が自由に描けないという状態ではあるものの、それでもやはり絵の世界が身近にある人間といっていいでしょう。

絵に興味のある方にはちょっとした雑学的な、そして興味の無い方には少しでも興味を持つキッカケにでもなればと思い、書いてみることにします。

❝油絵と水彩❞

水彩のイメージは、繊細で淡い色調がきれい。
(左の子供の絵が水彩です)

油絵のイメージは、コテコテとして力強い。


なんとなくパッと思いつくイメージはこんな感じでしょうか。

これはまあ正解でもあり、ちょっと正確ではないところもあります。

これから絵を描いてみようかななんて人にとっては、水彩を始めるか油絵を始めるかは大きな問題ですね。

絵を見て楽しむだけの人にはそんなに大きな問題ではなく、後は絵柄の好みによるところでしょう。


おそらくほとんどの方が想像されたとおり、最初は水彩が無難で始めやすいです。

道具も揃いやすく、手入れも簡単。

それになんといっても、おそらくはほとんどの人がどこかで経験している画材なので、違和感無く使えるという部分もあります。


それに比べて、油絵はちょっと敷居が高いかもしれませんね。

手入れも面倒、道具をそろえるのもはじめは大変ですし、油のにおいが結構きつくて(この匂いが好きという人もいますが)、ちゃんと場所を確保しないといけません。

普通に自分が生活している空間で描いてもいいですが、使う油や描き方によっては壁紙が黄ばんでくることもあるので、注意しないといけない。


こう書くといろいろ大変に聞こえますが、それでも私は油絵をおすすめします。

それは、油絵にはとても魅力的な部分があるからです。

次にそれを描いてみましょう。

❝油絵のいいところ❞

自分が油絵を描いているので、どうしてもいい部分ばかり見てしまうのですが。

先述したちょっとやっかいなところも交えて、油絵を描くことがどんな感じなのかをわかっていただけるよう、ありのままを書いてみたいと思います。


描き方にもよりますが、油絵は重ね塗りがしやすいという点がまずよいところです。

また、色を重ねることで、独特の光を発します。

水彩も重ね塗りはできますが、油絵に比べて色が混じりやすく、汚れてしまいやすいところがなかなか難しいのではないでしょうか。

普通は完全に乾いてから重ね塗りします。

そうすれば水彩画独特の透明感のある綺麗な発色となって、とても深みが増します。

しかし、いちいち乾くのを待つのがどうも・・・という人も結構いたりするんですよ。

それに比べ油絵の場合は、重ねて塗ることの利点としては、独特の風合いもそうですが、私のように気分に合わせて描く人間からすれば、失敗しても何度でもやりなおせるという部分がとても大きいのです。

乾く前にどんどん塗り重ねることだってできます。

水彩はどうしても失敗のきかないところがありますので、特に慣れるまでは逆に大変かもしれません。


さて、そんな油絵ですが、やっかいなところももちろんあります。

しかし、それを注意して慣れれば、実は水彩よりも手間がかからなかったりします。


まず使う材料について。

油絵で使う油の代名詞といってもいいくらいの材料に、テレピン(ターペンタイン)油というものがあります。

これは無色透明なのですが、結構ニオイがきつくて、ダメな人もたまにいるくらいです。

そして、白い服にこれが付くと、間違い無くはっきりとした黄色いシミとなり、おそらく取る方法がありません。



次に、油絵の性質として。

意外と知られていないことのようですが、乾くのがとんでもなく遅いというところがあります。

これがやっかいといえばやっかいであり、逆にこれをうまく利用して乾かないうちに綺麗に塗り重ねるということもできます。

おどろくべきことに、油の調合によっては、何十年たっても完全に乾かないということもあるくらいなんです。

もし油絵を早く乾かしたいと思ったときは・・・。

ドライヤーなどを使って風を送っても全く無駄です。

水彩の場合は蒸発して乾きますが、油絵の場合は油と空気が化学反応を起こして固まるので、いくら風や熱を送って蒸発を促しても、化学反応を早めることにはならないからです。

どうしても急いで乾燥させたいときは、シッカチーフというものを混ぜればよいのですが、これも急激な乾燥が火事につながる可能性もゼロではないので、取扱いには注意しましょう。

❝油絵の取り扱い❞

さて、苦労して描き上げた油絵や、高いお金を払って買ったお気に入りの絵はやはり飾ってみたいものです。

実は油絵はとても頑丈なので、飾るときは水彩などに比べてあまり気をつける必要はありません。

水彩の場合は湿気によって画面がゆがんだり、ときには水分がついて絵の具がにじんだりすることも可能性としてありますが、多少のことでは油絵はびくともしないのです。

それから、立派な額装に入れた油絵で、よくガラスやアクリルで画面を保護しているのを見ますが、これに関しては賛否両論あります。

確かになにかぶつかったときに傷がつかないという点ではいいかもしれませんが、何もはめることなく、額に固定するだけのほうがいいというのが個人的な意見です。

というのも、油絵の具が固まっている部分はさほど湿気に左右はされませんが、裏面は湿気がこもるとカビてしまうこともありますので。

絵も呼吸する、と考えていただければいいかと思います。

もしホコリが気になるなら、普通にハタキでお掃除しましょう。

引越し時の絵の取り扱いについて

それでは次に、引越しなどで、絵を移動する必要があるときや、飾ることをやめてしまっておくときなどはどうすればいいのでしょうか。

これもあまり深く考えなくて構いません。

絵の入った額縁ごと布でくるんで、ある程度大きさのあった段ボール箱に入れればそれで充分です。

私が以前扱ったことのあるン億円の絵もそんな感じで、画面は裸でした。


あと、とても大きい絵を運んだり収納する必要が出たとき、その大きさに困ってしまうこともあります。
油絵で大きいものは、それがキャンバス枠に貼ってあるキャンバス布に描かれた絵であれば、思い切って枠から外してください。

そしてクルクルっと丸めれば大丈夫。

また飾りたくなったら、キャンバス枠に張り直さないといけませんが。


このとき、必ず画面を「外に向けて丸める」ようにしましょう。

画面を内側にして丸めると、枠に張り直したときに絵の具がのばされて、亀裂が入るおそれがあるからです。

さて、いろいろと書いてみましたが、いかがだったでしょうか?

いつか絵に興味をもって、そのときにせっかく絵を描くと決めたなら、飾る所まで考えるほうが楽しいと私は思います。

この記事のライターをご紹介

  • 中野 浩明 ( ナカノ ヒロアキ ) 堺行政書士事務所
  • 堺市を拠点に書類作成、申請手続き代行などの業務を行う街の法律家。業務に並行して遺言書の普及に努めている。 その一方で、長く油絵制作に携わっている経験をもとに、依頼を受けて似顔絵・肖像画の制作などに取り組む。
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