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引越しコラム
連載2回目の今回は、前回より少し具体的に、自身が関わっている仕事のなかで遭遇する「引越し」について書かせていただきます。
戸建住宅以外では幼稚園や保育園といったこどもたちの建物を設計することが多いのですが、実は「引越し」をいつ行うかというのは工事のスケジュールを組む上で大きな問題となります。
新たにゼロからスタートする新設の幼稚園・保育園であればあまり問題はないのですが、すでに運営されていた園の建て替えではそう単純にはいきません。
園児を預かりながら新たに園舎を建設する場合、大きく分けて次の2つの方法のいずれかがとられます。
① 仮設園舎を建設する場合
敷地内または別敷地に仮設園舎を建設 → 既存園舎から仮設園舎に引越し → 既存園舎を解体 → 新園舎を建設 → 仮設園舎から新園舎に引越し → 仮設園舎を解体
② 仮設園舎を建設しない場合
敷地内の空地または別敷地に新園舎を建設 → 既存園舎から新園舎に引越し → 既存園舎を解体
上記より、①の仮設園舎を建設する場合の方が建設工事・解体工事・引越しの回数が単純に倍になってしまうことがわかります。
コストの面でも倍にまではなりませんが、負担は大きくなります。
しかし、敷地に余裕がなければ①の方法をとらざるを得ないこともあるのがつらいところです。
逆に、②のデメリットとしては、新園舎を建設できる場所が限定される、工事中に園庭が利用できなくなる、既存園舎に工事の騒音や振動が伝わりやすい、といったものがあります。
今まで私が関わった工事は①か②のいずれかに該当していたのですが、現在工事が進んでいる保育園の場合はやや特殊ですので、具体例として御紹介いたします。
仮設園舎を建てずに敷地内の空地に新園舎を建設するので、パターンとしては②に分類されるはずなのですが、
諸条件より新園舎の建設工事を2期に分けざるを得ないことになりました。
先ほどのように順序を書くと、以下のようになります。
現在工事中の保育園の場合
敷地内の空地に新園舎の半分を建設(1期工事) → 既存園舎の半分から新園舎に引越し
→ 既存園舎の半分を解体 → 既存園舎の跡地に新園舎の残り半分を建設(2期工事) →
既存園舎の残り半分から新園舎に引越し → 既存園舎の残り半分を解体
引越しが終わらなければ後に続く工事がスタートできないわけで、保育園の先生方には大きなご負担をおかけすることになってしまいますが、何とか御協力いただいてスムーズにやり遂げられたらと願っています。
今回は幼稚園・保育園を例に挙げましたが、引越しの時期やそれにかかる日数が新しい生活のスタートに大きく影響するという意味では、お住まいの引越しでも同様かと思われます。
自分たちの力だけでは難しい部分はプロの引越し業者さんをうまく活用して、気持ちよく新生活のスタートを切っていただけるといいなあと思います。
今回はここまで。